【】特集|2025 川崎市長選】川崎の「過去・現状・進捗・今後」を読み解く──課題・目標・懸念・未来

特集|2025 川崎市長選

川崎の「過去・現状・進捗・今後」を読み解く──課題・目標・懸念・未来

最終更新:

人口推移の概観
人口推移の概観(確定値と推計の境目に留意)。

1. 過去:工業都市の記憶から、多核都市の設計図へ

川崎は、臨海部の重化学工業を核に成長し、内陸へと広がった多核都市です。高度成長期に抱えた公害の克服、ニュータウンの建設と都心通勤圏の拡大、そして2000年代以降の駅前再編(武蔵小杉など)という三つの波を乗り越えるなかで、市民参加・情報公開の制度文化も形成されてきました。ここでは、その「変化のつながり」を政策・現場・暮らしの観点で振り返ります。

1-1. 京浜工業地帯の一翼:臨海の成長と公害克服の記録

明治末から大正期にかけて、臨海部には製鉄・化学・石油・電力などの中核産業が立地し、戦後復興・高度成長期に産業の重層が進みました。その一方で大気・水質・騒音などの公害は深刻で、1960〜70年代は規制・監視・地域協定の仕組みが整備される端緒となります。環境対策の積み上げは、後の臨海部更新(物流の高度化、エネルギー・資源循環)でも重要な基盤になりました。

1-2. 住宅化と多核化:内陸へ広がる生活圏と拠点の役割分担

高度成長期以降、内陸部の住宅化が進み、区が担う生活機能が拡充。川崎区・幸区の産業・港湾機能、中原区の業務・居住の複合、高津・宮前・多摩・麻生の住宅・教育・自然環境の分担が、7区の性格差を形づくりました。これが現在の多核都市の骨格であり、駅前の再編・歩行回遊の設計に直結しています。

1-3. 2000年代以降:駅前再編と「歩行回遊」の時代へ

2000年代半ばから、鉄道結節点を軸に駅前の複合化・高密化が進行しました。業務・商業・居住が混在し、駅から歩いて暮らせる半径が拡張。風・日照・騒音、歩行者・自転車・公共交通の面設計が問われる段階に入り、イベント稼働率回遊距離といった新しいKPIが重要度を増しています。

1-4. 市民自治の成熟:公開・対話・合意形成の「作法」

1970年代以降、川崎は市民参加・情報公開の制度整備に先駆的に取り組んできました。区民懇話会、情報公開制度、オンブズマン制度などの枠組みは、大規模更新の説明責任を支える文化的土壌に。今日の等々力緑地の見直し、社会実験の先行供用、ダッシュボード型の進捗公開といった実務に、過去の蓄積が活きています。

1-5. 変化の連続性:産業→知の拠点、そして生活の質へ

臨海の産業集積は研究・創薬・素材・エネルギーなどの知的生産へ拡張し、駅前の再開発は歩行回遊・環境・安全の質と結びつきました。重厚長大型の投資から、段階整備×成果連動の投資へ。川崎の過去は、「削って進める」「見える化で合意する」という、いま必要な実務の作法を残しています。

川崎の変遷タイムライン(工業→多核都市→駅前回遊)
川崎の変遷タイムライン(編集部作成イメージ。公開時は市史・年表の一次情報で差し替え)。

課題

  • 臨海・内陸の機能分担の更新(産業・物流・環境・景観)
  • 駅前高密化に伴う風環境・日照・騒音の制御

目標

  • 歩行回遊×公共空間の質をKPIで常時公開
  • 研究・創業の波を中小の生産性に橋渡し

懸念

  • 大型更新の合意コスト増大、説明責任の形式化

未来

  • 段階整備と社会実験で合意形成をプロセス化
  • 「生活の地力」を底上げする面整備(教育・医療・防災)

参考リンク(過去)

  • 川崎市|市史・年表・資料編(公害・人口・財政の推移)
  • 川崎市|総合計画(第3期実施計画・都市像)
  • 市民自治の歩み(情報公開・オンブズマン等の制度史)

2. 現状:人口は増加と自然減が併走、現場の「人」とインフラの維持更新が鍵

川崎は約155万8千人の大都市(2025年8月1日現在:1,557,963人)で、直近1年でも6,188人の純増を維持しています。足元の人口動態では、出生・死亡の差による自然減が進む一方、転入超過による社会増が都市の厚みを保つ構図です。世帯は79万5,320。全体像としては「働く世代と子育て世帯の厚み」+「高齢化の進行」を同時に抱える多核都市です。

現状の要点(データ)
・人口:1,557,963人/世帯:795,320(2025年8月1日)
・対前年同月比:+6,188人/前月比:+280人(7月中の自然動態 -202・社会動態 +482)
・待機児童数:0人(2025年4月1日現在、5年連続)
・教員不足:2025年4月時点で122人不足(市教委発表/前年よりは緩和)
・「将来負担比率」の算定誤りを市が公表・修正(2025年9月1日)→指標の透明性を再担保
・市立川崎病院「救命救急センター棟」:工事は令和8年(2026年)8月10日まで、2026年11月頃運用開始見込み
・等々力緑地の再編:2025年8月の見直し案で立体駐車場→平面化などコストと合意の再設計

2-1. 人口・居住:増加を保ちつつ地域差が拡大しやすい構造

川崎の人口は都心アクセスの利便や雇用機会に支えられ、社会増が牽引しています。もっとも、増加は一様ではありません。駅周辺・再開発エリアは若年・子育て層の流入が続く反面、郊外部や斜面市街地は高齢化が先行しやすい。生活サービス(保育・教育・医療)と交通・防災の「面整備」を、エリアの実情に合わせて厚みづけできるかが当面の課題です。

2-2. 家庭・子育て:待機児童ゼロの維持、その先は「質」と現場の人材

市は5年連続の待機児童ゼロを達成しました。量の確保から、保育の(職員配置・研修・処遇)と、周辺の送迎動線や公園・児童室など暮らしの地力へ重点が移ります。保育の裾野と就学前の発達支援を連続させ、小1の壁(学童・移行期のケア)まで視野に入れた線形設計が有効です。

2-3. 学校・教育:教員不足の“谷”を埋めるのは採用だけでなく業務設計

2025年4月時点で市立学校の教員は122人不足(定数6,554人)。年度途中の産休・育休・病休代替の埋め戻しが難しく、学級編成の弾力運用や非常勤活用など“応急運転”が発生しやすいのが実情です。採用・研修・定着の三点に加え、事務DX・複数担任制・外部人材の組み合わせで業務の再設計を進め、教員が「教える」コア業務に集中できる環境を作れるかが体感改善の分岐点になります。応募者動向は倍率2.1倍(2025年度実施・速報)、次世代の裾野拡大策(大学3年推薦枠など)とセットで底上げが必要です。

2-4. 医療・公衆衛生:救急のボトルネック解消と地域包括の面整備

市立川崎病院では救命救急センター棟の整備が進み、工程は2026年11月頃の運用開始見込みに更新されています。感染症対応や広域搬送への冗長性を高めつつ、在宅・地域包括ケアの面整備で「支える医療」へ分厚さを出す段階です。救急の処置時間・受入率など、市民が体感できるKPIの常時公開が望まれます。

2-5. 財政・コスト環境:物価・人件費・金利の三重圧。指標の信頼回復を同時並行で

物価・人件費・資材価格の上昇は、施設更新と新規投資の両側で効いています。2025年9月1日、市は健全化判断比率(将来負担比率)の算定に誤りがあったとして修正を公表しました。決算自体への影響はないとしつつ、将来世代への負担見通しを示す重要指標だけに、再発防止と算式の透明化を継続する必要があります。大型事業は段階整備・費用管理・成果指標をパッケージで開示し、合意コストを最小化するのが定石です。

2-6. 都市基盤・公共空間:等々力緑地の「見直し」は費用・環境・利便の再配合

等々力緑地の再編は、市民合意と費用管理のリトマス試験紙です。2025年8月の見直し案では立体駐車場2か所を平面化するなど、コスト・景観・動線・災害対応の再配合が示されました。並行して植栽計画の公表やオープンハウス型説明会の継続など、プロセス面の可視化が進んでいます。大型更新は「やる/やめる」ではなく、段階・費用・成果の設計力が問われます。

2-7. 防災・気候:想定最大規模を前提に“個別避難計画”を普及させる

多摩川水系の洪水リスクは、気候変動下での不確実性を前提に読み替える局面です。市は洪水ハザードマップや「防災マップ」を更新し、家単位の避難判断に資する情報を整備しました。台風期の前に、わが家の最大想定リスク(外水・内水・土砂)と避難先を確認し、通学路・通勤路の危険箇所も重ねてチェックする――この“自助の設計”を自治会・学校・事業所で当たり前にすることが、次の10年の強さを決めます。

課題

  • 人口集中エリアと周辺部のサービス格差(保育・教育・医療・交通)
  • 教員・医療・介護など現場人材の不足と定着
  • 施設更新・再開発の費用膨張と合意コスト
  • 多摩川流域の水害リスク、想定超過を前提にした訓練不足

目標

  • 採用→研修→定着+業務再設計(事務DX・複数担任制・外部人材)
  • 大型事業の段階整備・KPIの常時公開・利害関係者の早期関与
  • 個別避難計画の普及と、リアルタイム情報の定着運用

懸念

  • 物価・人件費・金利の三重圧で事業費が上振れ
  • 制度・大型案件の長期化と、体感改善の遅れ

未来

  • 教育・医療・介護・防災の面整備で生活の実感を底上げ
  • 研究拠点・創業の波を中小企業の生産性へ橋渡し
財政の器と将来負担の考え方(イメージ)
財政の器と将来負担の考え方(正式値は市の決算・資料で確認)。
救急・感染・地域包括の三層(イメージ)
救急・感染・地域包括の三層(体感に直結するKPIの公開が鍵)。

参考リンク(現状)

  • 川崎市|世帯数・人口(令和7年8月1日現在・区別動態)
  • 川崎市|令和7年4月1日現在の保育所等利用待機児童数(ゼロ)
  • 毎日新聞|川崎市教委「教員122人不足」(2025/4/22)/東京新聞(2024/11/14)
  • 川崎市|健全化判断比率(将来負担比率)の修正について(2025/9/1)
  • 川崎市立川崎病院|救命救急センター棟 工期・運用開始見込み(更新:2025/10/2)
  • 川崎市・KTP|等々力緑地 再編整備の見直し(説明会・植栽計画・地域紙報道)
  • 川崎市|洪水ハザードマップ/防災マップ(更新:2025/8/25)/国・県の関連資料

3. 進捗:制度・基盤・現場の三層で「見直し」と「前進」を同時に回す

この数年の川崎は、制度(ガバナンス)都市基盤(ハード)現場運営(ソフト)の三層で動いています。要点は二つ。ひとつは、国の制度を動かす長距離走(特別市の法制化)と、学校・病院・保育など日々の短距離走を別軸で評価すること。もう一つは、物価・人件費・金利の逆風下でも、「見直しながら進める」設計で成果を落とさないことです。

3-1. 制度:特別市の早期法制化に向けた三政令市の共同歩調

2025年夏、横浜・川崎・相模原の三政令市は、「特別市」法制化の共同要請を取りまとめ、指定都市市長会とも連携して国に働きかけを強めました。狙いは、道府県と二重になりがちな権限・財源を整理して大都市の即応性を高めること。ただし、制度改正は国の審議と合意形成に時間を要し、短期の体感改善とは直結しません。だからこそ、制度の議論と並走して、現場KPIを磨く二重トラックが必須です。

3-2. 医療・公衆衛生:救命救急センター棟は「工程の見直し→再設定」へ

市立川崎病院の救命救急センター棟は、地中障害物対応などで工期を見直し、工事完了が2026年8月10日、運用開始は2026年11月中旬の見込みに更新されました。計画が延びた事実は率直に開示され、工程・費用・装備の再設定が示されています。完成後に効かせるべきは、「断らない救急」を定量で可視化するKPI——救急受入率、ドア・トゥ・CT時間、救急外来の滞在時間分布、重症患者の転帰など。これらをダッシュボードで常時公開できれば、市民の体感と信頼は跳ね上がります。

3-3. 子ども・子育て:待機児童ゼロは「量→質」への転換点

2025年4月1日現在、川崎市は5年連続で待機児童ゼロを維持しました。量の勝利は次の課題を突き出します。第一に「保留」の扱いと就学前の発達支援の連続設計、第二に保育人材の確保・定着(住宅・通勤・研修・処遇の総合設計)、第三に送迎動線や公園等の暮らしの地力。ゼロを守るだけでなく、どの区でも「入れてよかった」と言える質の底上げが問われます。

3-4. 学校・教育:教員不足の“谷”はやや緩和も、業務設計の再構築が要

2025年度当初、教員122人不足という厳しいスタート。教員確保は全国的課題で、採用倍率の回復だけでは間に合いません。事務のDX、学年・教科横断の複数担任制、特別支援・通級の専門性を支える外部人材、保護者対応の標準化など、「教える」に集中できる業務設計が肝です。現場の体感は、紙一枚の負担軽減で大きく変わります。

3-5. 都市基盤:等々力緑地は「削って進める」へ—費用・環境・利便の再配合

等々力緑地の再編は、立体駐車場を平面化、自由提案施設18棟→10棟連絡橋整備の中止など大枠を見直しました。緑と広場の質を重視しながら、コスト高に対応して約40億円の削減方向を示し、市民説明会での対話を続けています。大型更新を「やる/やめる」の二択にしない、段階・費用・成果の再配合は、これからの都市経営の標準手順と言えます。

3-6. 財政・説明責任:将来負担比率の算定誤りを公表・修正、透明性を再担保

2025年9月、市は健全化判断比率(将来負担比率)の算定誤りを公表し、決算への影響はなしとした上で再発防止策を示しました。将来世代への負担見通しを示す重要指標であるだけに、計算根拠・更新頻度・担当構造を明快にし、図表とセットで平易に伝えることが信頼の回復線です。大型事業の進捗も、「段階・費用・成果」を一体で可視化する姿勢が求められます。

実務ヒント: 制度の長距離走(特別市)と、現場の短距離走(救急・学校・保育・防災KPI)は別トラックで評価。「動いているものは数字で見せる」——これだけで市民の体感は変わります。
救急・感染・地域包括の三層(進捗イメージ)
救急・感染・地域包括の三層(進捗の見える化:受入率や処置時間などKPIの常時公開が鍵)。
大型事業の段階・費用・成果の公開(進捗管理の基本形)
段階・費用・成果の公開(図は編集部作成イメージ。数値の根拠は一次情報で差し替え)。

参考リンク(進捗の一次情報)

  • 川崎市|特別市の要請・共同要請(8/6・8/26)
  • 川崎市立川崎病院|救命救急センター棟 工期・運用開始見込み(5/30、10/2更新)
  • 川崎市|令和7年4月1日現在 待機児童数(5年連続ゼロ)
  • 毎日新聞|川崎市 教員122人不足(2025/4/22)
  • 等々力緑地 再編見直し(立体→平面化、自由提案施設数見直し、費用削減方針)
  • 川崎市|健全化判断比率(将来負担比率)の修正(2025/9/1)

4. 今後:次の10年を動かす「段階・費用・成果」の公開設計と、人材エコシステム

川崎の次の10年は、成長(駅前・産業・回遊)安心(救急・在宅・防災)包摂(教育・就労・暮らし)の三本柱で設計できます。 成功の鍵はふたつ。第一に、大型事業・制度改革・現場運営を「段階・費用・成果」で常時公開し、途中の見直しを含めて説明責任をプロセス化すること。 第二に、教育・医療・介護の人材エコシステム(採用→研修→定着+業務再設計)を作り、現場の体感を早期に上げることです。

設計原則(短く)
・大型事業は段階整備でキャッシュフローを平準化/費用・成果・遅延をダッシュボードで見える化。
・現場KPIは「断らない救急」「学級・授業の安定」「保育の質」を数値で常時公開。
・意思決定は市民の予見可能性を最優先(説明会→素案→案→最終案のタイムラインを定例化)。

4-1. 成長:駅周辺の複合化と中小の生産性底上げで「稼ぐ力」を持続

成長戦略の主軸は、駅周辺の歩行回遊×複合化と、臨海部・研究拠点の波及を中小企業の生産性へ橋渡しすることです。 駅前は歩行者優先の動線・広場・日照を丁寧に確保し、低未利用地は用途の複合化で小さく段階的に更新。 研究と創業は、賃料・人材・実証フィールドの3点セットで支援し、行政調達の一部を成果連動にするだけでも、 地場のソフト・サービスが目に見える価値に化けます。

  • 実装例:駅前の再配置図(横断歩道の位置、バス停・タクシー・自転車の整序、ベンチ・植栽の風環境)を公開し、市民の移動データと照合。
  • 効果測定:歩行者通行量、平均滞在時間、歩行可能距離、空地・広場のイベント稼働率、空き区画率、騒音・風・日射の快適指標。
  • 中小支援:設備投資は補助×低利×技術指導の三点で、「成果調達」(PoC→実装→本契約)を導線化。
駅前回遊と複合化のイメージ(将来人口分布との重ね合わせ)
駅前回遊×複合化のイメージ(図は編集部作成。実装時は市の基図と将来人口分布で差し替え)。

4-2. 安心:救急・在宅・地域包括を「面」で支え、災害時は多層で冗長化

医療は断らない救急在宅の支えが両輪です。救命救急センター棟の稼働後は、 受入率・処置時間・重症転帰などをKPIとして常時公開し、地域の医師会・訪問看護・薬局との連携を情報共有の標準化で一段押し上げます。 防災は想定最大規模を前提に、外水(洪水)・内水(内水氾濫)・土砂災害の家単位プランを平時から常備。 医療・輸送・通信のバックアップルートを、学校や公共施設の避難所運用計画と合わせて、練度の見える化まで落とし込みます。

  • 実装例:救急のドア・トゥ・CT、初療完了までの時間、重症患者の搬送先確定時間をダッシュボード化。
  • 在宅:訪問診療・看護・リハの面密度を地図で公開し、空白時帯(夜間・休日)を補完。
  • 防災:家庭の個別避難計画テンプレを普及(多摩川水位・雨雲レーダー・避難所混雑度のリンクをプリセット)。
救急・在宅・地域包括のKPIイメージ
救急・在宅・地域包括のKPIイメージ(数値は実装時に差し替え)。

4-3. 包摂:教育・就労・生活の接点で「格差の再生産」を止める

包摂の焦点は、教育の継ぎ目就労へのブリッジです。就学前→小学校の移行期(いわゆる小1の壁)、 中学→高校→職業教育の移行期は、支援が切れやすい。学童・放課後の居場所と、進路・奨学金・インターンの情報を束ね、 「本人と保護者が選べる選択肢」を具体に提示するだけでも進学・就労のミスマッチは減ります。 生活支援は、家計の固定費(住まい・交通・エネルギー)に効く施策を対象を絞って打つのがコスパ良。

  • 実装例:区ごとの放課後の居場所マップと、奨学金・就労支援の検索ナビを一本化。
  • 学校現場:事務DX・複数担任制・外部人材の導入で、教師が教える時間を最大化。
  • ターゲット支援:エネルギー・食・交通の一時的負担軽減は所得・家族構成に応じて精緻化。

4-4. 財政・ガバナンス:段階整備と成果連動で「やるべきこと」をやり切る

物価・人件費・金利の三重圧下では、段階整備成果連動が定石です。大型事業は段階ごとに機能の開栓を行い、 費用のピークを平準化。成果はアウトカム指標(救急の受入率・歩行回遊・保育の質など)で評価し、 効果が大きい箇所に翌年度再配分します。資金は国県補助・交付金・起債・官民連携(PFI/DBFM)・ バリューキャプチャ(受益者負担)を混ぜるのが合理的ですが、金利リスクには厳密な想定が必要です。

  • 進行管理:各案件の段階・費用・成果をカード化し、遅延・変更理由も同じビューで公開。
  • 資金:CAPEXの谷・山に合わせて基金の取り崩しルールを明示/PFIは保全費の品質条項を強化。
  • 広報:「何が、いつ、どこまで進んだか」を月次で更新(PDFではなくWebダッシュボード)。
段階・費用・成果の公開ダッシュボードのイメージ
段階・費用・成果の公開ダッシュボード(図は編集部作成イメージ)。

4-5. 人材エコシステム:採用→研修→定着+業務再設計で「体感」を上げる

教育・医療・介護の体感改善は、人材の設計に尽きます。賃金だけでなく、業務の再設計(事務DX、夜間・繁忙期の増員、複数担任制、チーム医療)と 研修の標準化・資格更新をセットで動かすこと。さらに、住宅・通勤・育児といった生活側の支えが定着を左右します。 市内大学・専門学校・事業者と連携し、若手が本市で学び・働き・住み続ける循環を作るのが地味に効きます。

  • 教育:校務支援の統合、授業準備時間の確保、クラスサイズの弾力運用、特別支援の専門職配置。
  • 医療:救急の専門職採用、夜間・休日の手当設計、在宅の連携料(情報提供・連絡会)を定例化
  • 介護:処遇改善+外国人材の支援、研修・日本語教育の官民連携

4-6. 実務タイムライン:100日・1年・任期内

目に見える成果は時間設計で決まります。まず最初の100日で「見える化」を出し、1年で現場の負荷軽減を体感へ、 任期で都市の骨格を動かす——この三段ロケットでいきます。

  • 最初の100日:救急・学校・保育・大型事業のダッシュボードβ版を公開/説明会の日程を一括公表。
  • 1年まで:教員・看護・保育の採用+業務再設計を同時実施/駅前の歩行回遊テスト(社会実験)。
  • 任期内:駅前複合化の第1期供用、救急KPIの安定達成、防災の個別避難計画普及率の目標達成。

4-7. リスクと対処:遅延・費用増・合意難

3大リスクは遅延・費用増・合意難。対処はシンプルで、①早期警戒(計画値からの乖離を週次で監視)、②代替案(機能の先行供用・縮小・順序入替)、 ③説明の定例化(遅延理由・変更理由・代替効果を毎月開示)。「動いている」「止まっている」を同じUIで見える化すれば、 市民は判断できます。見えないことが最大の不信です。

5. 争点の整理:課題/目標/懸念/未来──「評価の作法」を揃えて比べる

選挙の論点は多岐にわたりますが、評価の物差しを合わせないと判断がぶれます。本章では、 ①課題(現状のつまずき)、②目標(到達像とKPI)、③懸念(副作用・リスク)、 ④未来(合意形成の筋道)という同じフレームで、主要テーマを深掘りします。「段階・費用・成果」の公開を前提に、 投票者のチェックリストとしても機能するよう、KPI(成果指標)実装の鍵を明記しました。

子育て・教育:量を守りつつ、質と公平をどう両立させるか

川崎は待機児童ゼロを維持しつつ、現場の人材・学区偏在・移行期のケアに課題が集中しています。これからは、 就学前→小→中→高→職の「継ぎ目」をつなぎ、教員と保育人材の定着業務再設計を同時に進める段階です。

課題

  • 学区・園の偏在(定員・通学距離・通園動線)
  • 教員・保育士の不足と離職(代替・病休・産休の穴)
  • 小1の壁/放課後の居場所と発達支援の連続性

目標(KPI例)

  • 学級の安定率(担任交代・学級編成変更の低減)
  • 教員・保育の充足率/欠員の平均解消日数
  • 学童の受入率と待機ゼロ、通学安全の事故件数低減

懸念

  • 人材確保の財源と、インフラ更新とのトレードオフ
  • 一律無償化の逆進性や持続性(対象設計の難しさ)

未来(実装の鍵)

  • 事務DX+複数担任制+外部人材で「教える」コア業務を確保
  • 就学前〜高校の移行支援パス(個別計画と相談窓口の一本化)
  • 学校・PTA・NPO・企業の協働プラットフォームを常設化

医療・公衆衛生:救急のボトルネックを抜き、在宅を面で支える

救命救急センター棟の稼働は受入率と処置時間の改善が問われます。並行して、在宅・地域包括の面密度を上げ、 夜間・休日の空白時帯を埋めることが体感を左右します。

課題

  • 二次・三次救急のたらい回し(受入率・時間のばらつき)
  • 在宅医療・訪問看護の地理的ギャップと夜間対応
  • 感染症流行期のピーク分散(小児科・発熱外来)

目標(KPI例)

  • 救急受入率/初療までの中央値ドア・トゥ・CT
  • 在宅の提供密度(○○人あたり事業者数/夜間対応率)
  • 小児救急の待ち時間/季節変動の平準化度

懸念

  • 人件費・装備費の持続性、専門職の採用競争
  • データ公開の遅れによる不信の固定化

未来(実装の鍵)

  • 病院・医師会・訪看・薬局の情報連携を標準化(ダッシュボード)
  • 夜間・休日の加算と補助で空白時帯を解消
  • 災害時は医療・輸送・通信の多層バックアップで冗長化

都市基盤・公共空間:大規模更新は「段階・費用・成果」の公開が命

等々力緑地の見直しに象徴されるように、物価・金利上昇下の都市更新は、削って進める設計が前提です。 目的は「賑わい」だけでなく、歩行回遊・安全・環境の総合最適。やる/やめるではなく、段階整備で前に進めます。

課題

  • 工事費の上振れとスケジュール遅延
  • 賑わい⇄静穏のコンフリクト(周辺住環境)
  • 説明会とパブコメの形式化(実質的な合意不足)

目標(KPI例)

  • 歩行者通行量回遊距離・滞在時間の改善
  • イベント稼働率と来訪者の地域内消費額
  • 工期・費用の乖離率、設計変更の公開件数

懸念

  • 景観・緑・風環境・日照など環境指標の軽視
  • 市民の負担感(騒音・交通・駐車)の増大

未来(実装の鍵)

  • 設計案・工区・費用・成果を同一UIで常時公開(ダッシュボード)
  • 社会実験(トライアル)の先行供用で仮説検証→本施工へ
  • 民活(PFI/DBFM)の品質条項と保全指標を強化

防災・気候:想定最大を前提に、家庭レベルの計画を「当たり前」に

多摩川流域の外水・内水、土砂災害、沿岸部の風水害など、リスクは多層です。家単位の個別避難計画の普及と、 ハザード×リアルタイム情報×避難所運用の統合が肝。平時の練度がすべてを決めます。

課題

  • ハザードの理解不足と誤解(外水/内水の違い)
  • 夜間・豪雨時の避難判断遅延
  • 避難所の混雑・物資・衛生の課題

目標(KPI例)

  • 個別避難計画の普及率(自治会・学校単位)
  • 避難所の混雑可視化率と開設到達時間
  • 訓練の参加率とシナリオ多様性(夜間・停電想定)

懸念

  • 平時の無関心と周知の形骸化
  • 高齢・障がい・乳幼児世帯の個別対応不足

未来(実装の鍵)

  • 家庭向け個別避難テンプレを配布(連絡網・チェックリスト・持ち出し)
  • リアルタイム水位・雨量・交通と連動した避難情報UI
  • 学校・企業の同時訓練で地域の練度を底上げ

物価と暮らし:負担軽減の「範囲と期間」を明確化する

物価高・人件費上昇が続くなか、生活支援は対象を絞るほど持続可能です。短期の負担軽減と、 中期の就労・学び直しを組み合わせ、「効いた施策への再配分」を回すことが重要です。

課題

  • エネルギー・食・交通の固定費高
  • 一律給付の財政負担と目的外利用

目標(KPI例)

  • 支援の到達率(対象層への実到達)
  • 就労・学び直しの参加率と賃金改善

懸念

  • ばら撒きと見なされるモラルハザード
  • 恒常化による将来負担の増大

未来(実装の鍵)

  • 期限・対象・根拠を明記したターゲット支援
  • 効果検証の公開と翌年度の再配分

産業・イノベーション:研究拠点の成果を中小企業の生産性に橋渡し

臨海部の産業と研究拠点の成果を、市内中小の現場改善へ落とし込めるかが鍵です。行政調達に成果連動や PoC(実証)枠を設けるだけでも、地場の技術・サービスは磨かれます。

課題

  • 研究の囲い込みと人材の流出
  • 中小のデジタル投資・人材育成の遅れ

目標(KPI例)

  • PoC→本実装の転換率と行政調達での採用件数
  • 中小の生産性指標(付加価値/従業員)

懸念

  • 補助金依存による自走力不足
  • 研究偏重で現場課題と乖離

未来(実装の鍵)

  • 研究機関×中小×金融の三者連携で投資と人材を循環
  • 市の調達に成果連動枠を常設し、外部審査を導入

財政・ガバナンス:指標の信頼回復と「段階整備」でやり切る

物価・金利上昇下の投資は、段階整備×成果連動で進めるのが定石です。将来負担の指標は算式と更新頻度を公開し、 「見える化」を月次で習慣化することで、合意コストを小さくできます。

課題

  • 将来負担の不確実性(金利・資材)
  • 説明責任の希薄化(PDFの埋没)

目標(KPI例)

  • 大型事業の乖離率(費用・工期)の低減
  • 月次可視化ダッシュボードの更新率

懸念

  • 先送りによる複利的コスト増
  • 短期人気取りの逆進的支出

未来(実装の鍵)

  • 基金・起債・民活のミックスと、品質条項の強化
  • 段階・費用・成果を同一UIで常時公開、遅延理由も同画面で

6. 候補者の中立比較:ビジョン×実務力×KPIの整合で読む

本章は、現職と新人候補を同じ評価軸(ビジョン/優先順位/KPI/財源・実現手順/リスク管理)で整理し、「期待」と「課題」を可視化します。 ここに記す見解は、2025年10月3日時点の公表情報・報道・本人発信に基づく編集部のファクトベース整理です。公約・数値・期日は告示以降に更新されうるため、公開直前に最新の一次情報で照合のうえ、必要箇所を差し替えてください。

6-1. 概要比較(現時点の公表情報ベース)

候補 立場 主要トーン 重点テーマ(抜粋) KPIの示し方 財源・進め方
福田 紀彦 現職(4期目に挑戦) 制度・基盤を「段階整備」で前進 特別市/等々力見直し/救急拠点/子育て・教育 既存KPI+ダッシュボード化の含意 既存枠組+段階供用・平準化・民活選択
山田 瑛理 新人(元市議) 「今に応える」生活直撃策と教育重視 教育格差/保育の質/中小支援/働き方 現場KPIを前面に出す姿勢 ターゲット支援×小回り投資
國谷 涼太 新人(会社員/コンサル) 若年・デジタル起点の刷新 行政DX/公開データ/若者参画 定量ドリブンの設計を志向 小規模PoC→実装/成果連動
野末 明美 新人(市民団体代表/JCP推薦) 福祉・暮らしの底上げ重視 医療福祉/教育/大型事業の抑制 生活指標中心に再配分を強調 再配分・無償化の対象設計
宮部 龍彦 新人(出版・IT) 表現の自由・情報公開の徹底 条例の是非見直し/行政・メディア関係の透明化 公開・監査・検証プロセスの強化 制度見直し+行政コスト縮減
関口 実 新人(清掃員) 反差別とセーフティネット強化 多様性/防災/平和メッセージ 到達率や参加率を重視 小規模施策の積み上げ

※告示(10/12)以降の選挙公報・出馬会見資料で数値・期日を再確認して更新。

候補者写真(差し替え予定):福田紀彦
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福田 紀彦(現職)

制度×現場の「二重トラック」──特別市、等々力見直し、救急・子育てのKPI運用を継続。

期待

  • 制度と現場の両輪:特別市の働きかけを続けつつ、救急・保育・教育の現場KPIの常時公開に踏み込める余地。
  • 大型事業の段階整備:等々力緑地の見直しに見られる「削って進める」手法で、費用高騰下でも前進しやすい。
  • 待機児童ゼロの維持:量の確保から質(人材・保育の中身)への転換を主導できる蓄積。

課題・懸念

  • 説明責任の形式化:工程遅延や指標修正を同一UIで可視化できないと、「見えない不信」が残る。
  • 人材の詰まり:教員・看護・保育の採用競争で、業務再設計込みの抜本策を打てるか。
  • 金利・物価リスク:段階整備で平準化しても、将来負担の見通しを月次で更新し続ける運用負荷。

検証KPI(初年)

  • 救急:受入率・ドアtoCT中央値・初療完了時間の四半期推移
  • 教育:欠員の平均解消日数・学級安定率・教職員時間外の削減率
  • 都市基盤:工期・費用の乖離率、社会実験→本施工の転換件数
候補者写真(差し替え予定):山田瑛理
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山田 瑛理(新人・元市議)

「今に応える」生活直撃策と教育・子育ての質に焦点。政党離脱のうえ無所属で挑戦。

期待

  • 生活目線の即効性:学童・放課後・就学前の継ぎ目支援や、保育の質KPI提示に親和性。
  • 中小・地域の底上げ:小回りの利く支援設計(対象限定・期間限定)の運用設計力に期待。
  • 議会実務の知見:元市議として、条例・予算のプロセスを踏んだ実装が可能。

課題・懸念

  • 財源と持続性:生活支援の対象・期間・根拠が精緻でないと、将来負担の増大に直結。
  • 大型事業との整合:等々力や駅前の段階整備と予算配分の優先順位を明確化できるか。

検証KPI(初年)

  • 学童受入率・待機件数/放課後居場所の面密度
  • 保育・学校の欠員解消日数/教員・保育士の定着率
  • 中小の設備投資・実証→本実装の転換件数
候補者写真(差し替え予定):國谷涼太
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國谷 涼太(新人)

若年世代の視点とデジタル起点。行政データの公開とPoC(実証)導入に親和性。

期待

  • 公開・計測の徹底:ダッシュボード化や成果連動の導入にドライブをかけやすい。
  • 若者参画:通学安全・学び直し・就労支援のUI設計に新機軸。

課題・懸念

  • 実装の厚み:制度・予算の重さに対し、段階設計と合意形成の経験をどう補うか。
  • 人材確保の現実:教員・看護・保育の採用・定着に効く具体策の確度。

検証KPI(初年)

  • 行政ダッシュボードの公開数・更新頻度
  • PoC→本実装の転換率/外部審査導入数
  • 若年層の意見反映件数・参加率
候補者写真(差し替え予定):野末明美
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野末 明美(新人)

福祉・教育の底上げを前面に。大型事業は抑制し、生活指標に再配分。

期待

  • 生活の到達率:所得や家族構成に応じたターゲット支援の制度設計に適性。
  • 医療・福祉の連続性:在宅・地域包括の面密度改善をKPIで語りやすい。

課題・懸念

  • 再配分と成長の両立:駅前・産業の稼ぐ力とのバランス設計が鍵。
  • 無償化の持続性範囲・期間・根拠の明確化がないと財政硬直化に直結。

検証KPI(初年)

  • 支援の到達率・家計固定費の軽減効果
  • 在宅医療・訪看の夜間対応率/地域包括の面密度
  • 大型事業の見直し件数・節減効果の実数字
候補者写真(差し替え予定):宮部龍彦
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宮部 龍彦(新人)

表現の自由と情報公開を前面化。条例・記者クラブ・行政手続の透明性を問題提起。

期待

  • 透明性の徹底情報公開・監査・ログ公開の強化で、行政の説明責任を制度化しやすい。
  • コスト意識:広報・施設運用・委託契約の可視化で支出の適正化へ。

課題・懸念

  • 条例見直しの合意形成:対立軸が強い領域では、手順と影響の具体化が不可欠。
  • 現場の即効性:救急・教育・保育などの人材難に、実務的な打ち手をどこまで用意できるか。

検証KPI(初年)

  • 情報公開請求の処理日数・不開示率の改善
  • 契約・広報関連のコスト削減額
  • 公開会議・記者対応の運用透明度(議事録・動画公開率)
候補者写真(差し替え予定):関口実
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関口 実(新人)

反差別・多様性・防災強化を主張。小規模でも確実な支援の積み上げを志向。

期待

  • 包摂のメッセージ:反差別やマイノリティ支援の到達率をKPI化する発想。
  • 防災の生活実装個別避難計画の普及や避難所運用の練度に焦点。

課題・懸念

  • 資金・人材の裏付け:市の既存施策との重複を避け、対象と手順を絞り込めるか。
  • 多岐テーマの優先順位:メッセージの幅広さが、重点の不明確さに繋がらない設計が必要。

検証KPI(初年)

  • ヘイト対策・相談窓口の利用件数/支援到達率
  • 個別避難計画の普及率・訓練参加率
  • 防災情報UIの到達率・避難所混雑可視化率

6-2. 争点×候補のマッピング(同一フレームで比較)

制度・ガバナンス(特別市/ダッシュボード)

現職は特別市の継続推進と進捗の公開運用に強み。新人は公開・監査の徹底や参加UI刷新で競う構図。

医療・公衆衛生(救急KPI/在宅の面密度)

「断らない救急」を受入率・処置時間で常時公開するかが分水嶺。新人は可視化と夜間補完の仕組み提案力が焦点。

子育て・教育(人材×業務再設計)

待機児童ゼロの維持に続き、教員・保育の定着複数担任制+事務DXが勝負。具体の欠員解消日数が試金石。

都市基盤(等々力・駅前の段階整備)

費用高騰下で段階・費用・成果の公開が不可欠。見直しと先行供用の切り替え速度が評価軸。

物価・暮らし(ターゲット支援)

一律より対象限定・期間限定の精緻化が前提。翌年度の再配分ループを制度化できるか。

防災・気候(個別避難計画)

普及率・参加率の底上げと、リアルタイムUIの改善で体感が決まる。冗長化の設計力が差に。

参考リンク(候補者・日程の一次情報)

  • 川崎市選挙管理委員会|市長選の期日・広報等
  • タウンニュース|現職・福田氏 4選へ出馬表明(6/11会見)
  • 毎日新聞|國谷涼太氏が出馬表明(5/23)
  • タウンニュース|野末明美氏が出馬表明(7/25会見)
  • 毎日新聞・本人サイト|宮部龍彦氏が出馬表明(8/7会見)
  • タウンニュース|山田瑛理氏(元市議)出馬へ(9/12発表)
  • タウンニュース/毎日新聞|関口実氏が出馬表明(9/26)

※候補者名簿・肩書・年齢・推薦等は、告示後の届出・選挙公報で最終確認。

7. 投票ガイド:いつ・どこで・どう投票するか(2025年版)

日程(公式決定)
告示:10月12日(日)
期日前投票:10月13日(月)〜10月25日(土)
投票日:10月26日(日) 7:00–20:00
開票:10月26日(日)即日 21:00開始
※川崎市議会議員(川崎区)補欠選は期日前の開始日が異なります。詳細は公式をご確認ください。

7-1. 投票できる人(選挙人名簿)

投票できるのは、川崎市の選挙人名簿に登録され、引き続き3か月以上市内に住所がある方です。最近引っ越した場合は、名簿の登録地投票できる選挙が一致しないことがあるため、早めに選挙管理委員会へ確認を。

7-2. 当日投票の流れ(身分証は原則不要)

  1. 入場整理券(封書で届く)を受付で提示。ない場合も、氏名・住所等の記入で投票できます。
  2. 白色の市長選投票用紙が交付されます。候補者1人の氏名自書して投票箱へ。
  3. 川崎区の投票所では、市議補選の投票用紙(クリーム色)も続けて交付されます。
  4. 希望者は投票済証明書を出口で受領できます。

視覚・肢体などの障がいがある方は、点字投票代理投票が利用できます(投票管理者が指名する2人の職員が代筆と立会いを行います)。

7-3. 期日前投票(仕事・学業・育児・旅行など)

期間中(10/13〜10/25)は、市内各所の期日前投票所で投票できます。理由は、仕事・学業・旅行・育児・介護・投票日当日の用務など自己申告でOK。場所と時間は区ごとに異なるため、公式の一覧を確認してください。

7-4. 不在者投票(市外・病院・施設・郵便等)

  • 滞在地・転出先での不在者投票:現在地の選管に投票用紙を請求し、指示に従って投票。
  • 病院・老人ホーム等:施設が指定されている場合、施設内で投票できます。
  • 郵便等による不在者投票:一定の障がい等により投票所に行けない方は郵便投票が可能(事前の手帳・証明書登録が必要)。

7-5. 投票所の探し方・注意点

  • 投票所の場所:公式サイトの投票所マップで検索。入場整理券にも記載。
  • 同時選挙:川崎区では市議補選も実施(投票用紙の色が異なります)。
  • 禁止事項:投票用紙に他事記載(応援文など)や2名以上記載無効票の原因になります。
投票の流れ(持ち物・手順・無効票の例)
投票の流れ(編集部作成イメージ。無効票の典型例は公式ガイドに準拠)。

参考リンク(投票ガイド)

  • 川崎市選挙管理委員会|今回の選挙(投票の方法・無効票の例)
  • 川崎市選管|市長選の期日(告示・期日前投票期間・投票日・開票)
  • 投票所/期日前投票所の場所(各区の案内ページ)

参考・出典

  • 川崎市選挙管理委員会|市長選挙の期日等
  • 川崎市|世帯数・人口(最新公表)
  • 川崎市|健全化判断比率(将来負担比率)の修正
  • 等々力緑地再編整備 見直し案公表(市発表・地域紙)
  • 川崎市立病院|救命救急センター棟(計画・最新スケジュール)
  • 三政令市の「特別市」共同要請(市発表・連携資料)
  • 各候補者の出馬表明・プロフィール(公的/本人/地域紙)