【潮流の最前線】クラフトビール業界2024年最新トレンド徹底解剖 – 第二回:原料革命 – 地域産、希少、代替… 素材の力でビールに新たな価値を

【潮流の最前線】クラフトビール業界2024年最新トレンド徹底解剖
– 第二回:原料革命 – 地域産、希少、代替… 素材の力でビールに新たな価値を

はじめに

クラフトビールの世界は、常に新しい刺激と発見に満ち溢れています。その魅力を語る上で欠かせない要素の一つが、原料です。麦芽、ホップ、酵母、水… ビールを構成する基本的な素材は、その種類や組み合わせによって、無限のバリエーションを生み出し、多様なビアスタイルを創り出してきました。

そして2024年、クラフトビール業界は、「原料革命」とも呼べる大きな潮流を迎えています。

地域に根ざした地域産原料、希少性・物語性で魅せる希少原料、そして、既成概念を打ち破る代替原料…。 これらの革新的な原料は、ビールに新たな価値をもたらし、クラフトビール業界の未来を大きく変えようとしています。

本連載「クラフトビール新潮流」第二回となる今回は、「原料革命 – 地域産、希少、代替… 素材の力でビールに新たな価値を」と題し、2024年のクラフトビール業界を席巻する原料トレンドの最前線を徹底解剖。味わいの多様化、ブランドの差別化、サステナビリティへの貢献… 原料がもたらす新たな可能性を探ります。

第1章:地域産原料の潮流 – テロワールを表現する

地域産原料を活用したビールと、それを象徴する風景

クラフトビールの地域性独自性を追求する上で、地域産原料の活用は、もはや欠かせないトレンドとなっています。 2024年は、この流れが さらに加速し、単なる原料調達の手段としてだけではなく、「テロワール」、つまり土地の個性を表現する重要な要素として、より深く追求されるようになっています。

1-1. 地域産ホップ:品種開発、有機栽培、マイクロクライメイト

地域産ホップ畑と、そこで栽培されるホップ

地域産原料の中でも、特に注目を集めているのが地域産ホップです。 近年、各地でホップ栽培への取り組みが活発化しており、気候変動への対応、地域在来品種の復活、有機栽培へのシフトなど、様々な動きが生まれています。

  • 品種開発: 地域の気候風土に 適した ホップの新品種開発が進行中です。 病害虫に強く, 収量が安定 し, 地域の特徴を反映した香りを持つ品種の開発が期待されています。
    例:ワシントン州ヤキマバレー原産ホップ「クライオ®ホップ」
  • 有機栽培: 環境負荷低減、消費者の健康志向の高まりを背景に、有機栽培ホップへのニーズが増加しています。 有機肥料の活用、生物学的防除など、持続可能なホップ栽培の技術が進化しています。
    例:シエラネバダブリューイング社「オーガニック ホップ IPA」
  • マイクロクライメイト: 同じ地域内でも、 標高、 日照時間、 降水量 など 微気候 (マイクロクライメイト) の違いが、 ホップの香味に影響を与えることが知られています。マイクロクライメイトを活かしたホップ栽培、ビール造りが、新たなトレンドとして注目されています。
    例:ローグエールズ & スピリッツ社 マイクロクライメイト ホップ 使用 「7 Hop IPA」

1-2. 地域産麦芽:多様な麦品種、製麦技術、テロワール麦芽

地域産麦芽と、それを育む麦畑

麦芽も、地域産原料として注目されています。二条大麦だけでなく、六条大麦古代麦など、多様な麦品種の栽培、製麦技術の向上、テロワールを表現する麦芽など、新たな動きが活発化しています。

  • 多様な麦品種: 二条大麦に加え、六条大麦、スペルト麦、ライ麦など、地域の風土に適した多様な 麦品種の栽培が拡大しています。それぞれの麦品種が持つ独特の風味が、ビールの味わいに深みと 複雑性を与えます。
    例:スコティッシュエールカンパニー 地域産 六条大麦 使用「スコティッシュ エール」
  • 製麦技術: 麦芽の品質を左右する製麦技術も進化しています。伝統的な製法に加え、最新技術を導入することで、麦芽の香味をより細かくコントロールすることが可能になりました。
    例:ブリーズモルト & イングリーディエンツカンパニー テロワール 製麦 麦芽 使用 「ペールエール」
  • テロワール麦芽: 麦の栽培土壌、気候、水などのテロワールを反映した麦芽が注目されています。 地域のテロワールを最大限に活かすため、麦の品種選定から栽培方法、製麦プロセスまで、徹底的 にこだわった麦芽が開発されています。
    例:マルテリアピルスン テロワール麦芽 使用「ピルスナー」

1-3. 地域特有の副原料:フルーツ、ハーブ、スパイス、伝統食材

地域特有の副原料を活用したビール

地域産原料の活用は、ホップ、麦芽だけに留まりません。地域特有のフルーツ、ハーブ、スパイス、伝統食材を副原料として活用する動きが広がっています。地域の食文化、風土を反映したビールは、地域 の魅力を発信するとともに、他のビールとの差別化にも繋がります。

  • 地域産フルーツ: 地域で採れる旬のフルーツをビールの副原料として活用 します。
    例: 山梨県産 白桃 使用 「 桃ヴァイツェン 」和歌山県産 ユズ 使用 「 柚子セゾン 」
  • 地域産ハーブ、スパイス: 地域に自生するハーブやスパイスを活用し、ビールに独特の香りと風味を与えます。
    例: 北海道産 ヨモギ 使用 「 ヨモギエール 」京都府産 京山椒 使用 「 山椒ポーター 」
  • 地域伝統食材: 地域に古くから伝わる伝統食材を活用し、ビールに予想外な味わいと物語性を付与します。
    例: 秋田県産 あきたこまち 使用 「 あきたこまちラガー 」長野県産 蕎麦 使用 「 信州蕎麦ヴァイツェン 」

第2章:希少原料の可能性 – 物語を語る素材

希少原料:希少ホップ、古代麦、地域固有の植物

希少性の高い原料は、クラフトビールに物語性とプレミアム感を与え、消費者の興味と関心を惹きつけます。 2025年は、希少 ホップ、古代 麦、地域固有の植物など、多様な希少原料が注目されています。

2-1. 希少ホップ:ワイルドホップ、海外希少品種、限定生産ホップ

希少ホップの収穫風景

希少ホップは、独特の香りや風味を持つ だけでなく、栽培が難しく、生産量が限られているため、希少価値が高まります。ワイルド ホップ 、海外希少品種 、限定生産ホップなど、個性豊かな希少 ホップが、ビールに深みと複雑性を与えます。

限定生産ホップ: 特定の地域、特定の生産者のみが栽培する限定生産ホップは、領土的な希少性と高品質を兼ね備えています。
例:ファウンダーズブルーイング社 「オールデイ IPA」 (特定の契約農家限定 カスケード ホップ 使用)

ワイルドホップ: 自然 環境 で 自生 するワイルド ホップ は、 人工栽培 されたホップとは異なる野生味溢れるアロマが魅力です。収穫が困難なため、希少価値が非常に高く、限定 ビールの原料として珍重されています。
例:シエラネバダブリューイング社「エステート ワイルドホップ IPA」

海外希少品種: 海外で栽培されている希少品種のホップを輸入し、ビール に普通でない香味を与えます。
例:ベアードブルーイング社「柚子セゾン」 (ニュージーランド産 ネルソンソーヴィン ホップ 使用)

2-2. 古代麦:スペルト麦、ライ麦、古代小麦、伝統品種

古代麦畑と、古代麦を使ったビール

古代麦は、現代の小麦に比べ、栽培が難しく、収量も少ないですが、栄養価が高く、独特の風味を持つことが特徴です。スペルト麦、ライ麦 、古代小麦、伝統品種など、古代麦を使用したビールは、 歴史を感じさせる深みのある味わいと独特の風味プロフィールを表現します。

  • スペルト麦: 古代から栽培されてきたスペルト麦は、ナッツのような香ばしさわずかにスパイシーな風味が特徴です。ビールに複雑なボディユニークなテクスチャを与え、特別なスタイルのビールを生み出します。
    例:バイエルン州立ヴァイエンステファン醸造所「ヴァイエンステファン スペルト ヴァイツェン」
  • ライ麦: 独特のスパイシーさドライな風味を持つライ麦は、ビールに複雑な風味爽快なドライフィニッシュを与えます。ライ IPAライ セゾンなど、挑戦的なビアスタイルに活用されています。
    例:アメリカ Founders Brewing Company「ライ IPA」
  • 古代小麦、伝統品種エジプト小麦カムット小麦などの古代小麦、在来種固定種などの伝統品種の小麦は、現代の小麦にはない独特の風味と歴史的背景が魅力です。伝統ビアスタイルの復刻、新たな解釈に活用されています。
    例:ベルギーのBrasserie-Brouwerij Cantillon「グランクリュ アレクサンドル」 (古代小麦使用)

2-3. 地域固有の植物:ハーブ、スパイス、花、果実、木材

地域固有の植物:例:山椒、桜、檜

地域固有の植物も、クラフトビールに地域性希少性を与える貴重な原料です。ハーブスパイス果実木材など、地域ならではの植物を活用し、ビールにテロワールを反映させた独特の風味プロファイルを構築することが可能です。

  • 地域固有ハーブ、スパイス: 地域に自生するハーブスパイスは、その土地の気候、風土に適応し、独特の香り成分を蓄積しています。
    例:京都府伊根町産 よもぎ 使用「伊根よもぎIPA」和歌山県有田川町産 ぶどう山椒 使用「ぶどう山椒エール」
  • 地域固有の花、果実: 地域の象徴的な花希少な果実は、ビールに華やかさフルーティーさを添えるだけでなく、地域特異性を物語る要素となります。
    例:沖縄県産 ハイビスカス 使用「ハイビスカスエール」長野県産 りんご 使用「シードルヴァイツェン」
  • 地域固有木材: 地域で育った木材をビールの熟成香り付けに活用します。
    例:秋田杉 使用「秋田杉ビール」吉野檜 使用「吉野檜セゾン」

第3章:代替原料への挑戦 – ビール表現の自由度を拡大

代替原料:フルーツ、野菜、スパイス、ハーブ、木材、穀物

従来のビール原料に捉われず、代替原料挑戦する動きは クラフトビールの国境を広げ、新しい地平線を開く可能性を秘めています。フルーツスパイスハーブ野菜木材穀物 … 斬新な素材の組み合わせは、ビールの味わい香り、テクスチャに無限のバリエーションを もたらし、消費者の多様なニーズに応えることが可能 になります。

3-1. フルーツ:トロピカルフルーツ、ベリー類、柑橘、和果物、ドライフルーツ

フルーツを副原料に使った、色とりどりのクラフトビール

フルーツは、ビールにフルーツ由来の甘み酸味香りを付与 し、さわやかなタッチと複雑な風味プロファイルを演出します。トロピカルフルーツベリー類柑橘和果実ドライフルーツなど、多様な種類のフルーツがビール 造りに活用 されています。

  • トロピカルフルーツ: マンゴーパイナップルパッションフルーツなどのトロピカルフルーツは、ビールに濃厚な甘みエキゾチックな香りを与え、IPA、サワーエールフルーツビールなどに活用されています。
    例:箕面ビール「パッションヴァイツェン」サンクトガーレン「パイナップルエール」
  • ベリー類: イチゴブルーベリーラズベリーなどのベリー類は、ビールに甘酸っぱい風味鮮やかな色を与え、フルーツビールサワーエールランビックなどに活用 されています。
    例:忽布古丹醸造「ベリーベリーベリー」京都醸造「一期一会 – ストロベリー&ラズベリー」
  • 柑橘: オレンジグレープフルーツレモンユズなどの柑橘は、ビールに爽やかな柑橘系の香り鋭い酸味を与え、IPA、Witbierセゾンなどに活用されています。
    例:城山ブルワリー「湘南ゴールド Weizen」COEDO BREWERY「COEDO 伽羅 – Kyara -」 (オレンジピール使用)
  • 和果実、ドライフルーツ: などの和フルーツ、レーズンイチジクなどのドライフルーツは、ビールに繊細な甘さ複雑な風味を与え、エールバーレーワインスタウトなどに活用されています。
    例:木内酒造「常陸野ネストビール 柚子ラガー」Far Yeast Brewing「馨和 KAGUA Blanc」 (柚子、山椒使用)

3-2. スパイス、ハーブ:定番スパイス、 普通でないハーブ、 オリエンタルスパイス、 地元ハーブ

スパイスやハーブを陳列した様子、それを使ったビール

スパイス、ハーブは、ビールに複雑な香りスパイス風味ハーブの複雑さを付与 し、多次元的なフレーバープロファイルを構築します。定番スパイス普通でないハーブオリエンタルスパイス地元ハーブなど、種類豊富なスパイス、ハーブがビールの新しい機会を開くと期待されています。

  • 定番スパイス: コリアンダーシードオレンジピールシナモンクローブなどの定番スパイスは、ビールにスパイスの複雑さ温かみのある風味を与え、Witbierベルジャンエールクリスマスビールなどに活用されています。
    例:銀河高原ビール「ヴァイツェン」 (コリアンダーシード、オレンジピール使用)ロコビア「クリスマスエール」 (シナモン、クローブ使用)
  • необычный ハーブ: ラベンダーローズマリーカモミールなどのнеобычныйハーブは、ビールに花の香りハーブのニュアンスを与え、ハーブエールフローラル IPAセゾンなどに活用されています。
    例:富士桜高原麦酒「ラベンダーIPA」OGA BREWING「ローズマリーエール」
  • オリエンタルスパイス: スターアニス花椒カルダモンなどのオリエンタルスパイス は、ビールにエキゾチックなスパイスの香り複雑な味わいの深みを与え、スパイススタウトスパイスポーターインペリアルスタウトなどに活用されています。
    例:京都醸造「石楽 – SEKIRAKU」 (花椒使用)伊勢角屋麦酒「ペールエール」 (カルダモン使用)
  • 地元ハーブ: イラクサスギナゲンノショウコなど の 地元ハーブ は、ビールに地域ならではの ハーブのキャラクター独特のテロワールを反映させます。ボタニカルビールハーブセゾン実験的なビールなどに活用されています。
    例:丹後クラフトビール工房「ホップ香るスギナ茶ビール」BREW CLASSIC「よもぎIPA」

3-3. 野菜、穀物、豆類:根菜、果菜、豆、米、麦、雑穀

野菜や穀物を副原料に使ったビール

野菜、穀物、豆類は、 ビールにテクスチャ口当たり栄養価を付与し、新しい次元をビールに加えます。 根菜果菜雑穀など、種類豊富な野菜、穀物、豆類がビールの原料として活用されています。

  • 根菜: カボチャサツマイモビーツなどの根菜は、ビールにほんのりとした甘み自然で素朴な風味リッチボディを与え、スタウトポーター秋ビールなどに活用されています。
    例: SanktGallen Brewery「パンプキンエール」COEDO BREWERY「紅赤 – Beniaka -」 (さつまいも使用)
  • 果菜: トマトキュウリパプリカなどの果菜は、ビールに爽やかな野菜の風味独特の酸味を与え、ゴーゼサワーエールライトエールなどに活用されています。
    例:Uchu Brewing「トマトホップ」RISE & WIN Brewing Co. BBQ BEER & co.「CUCUMBER GOSE」
  • : 大豆黒豆レンズ豆などの豆は、ビールにナッツ風味クリーミーな食感 を与え、スタウトポーターバーレーワインなどに活用されています。
    例:常陸野ネストビール「大豆のスタウト」箕面ビール「黒豆スタウト」
  • 米、麦、雑穀: 大麦アワキビなどの穀物 、雑穀は、ビールにドライフィニッシュ感 、 サクサクとした食感味独特の穀物の風味を与え、ラガー発泡酒グルテンフリービールなどに活用されています。
    例:COEDO BREWERY「COEDO 白 – Shiro -」 (米使用)ヤッホーブルーイング「SORRY UME-SHU ALE」 (大麦、米使用)

3-4. 木材、樹脂: 樽材、独特なチップ、地域産 木材、樹脂

木材チップ、木樽、木製容器

木材、樹脂は、ビールに木の香りバニラ風味渋みの複雑さを付与し、長期熟成と複雑な風味の特徴を演出します。 樽材独特なチップ地域産木材樹脂など、様々な木材、樹脂がビールの香り付け熟成に活用されています。

  • 樽材: オーク樽バーボン樽ワイン樽などの樽材は、ビールに木のような複雑さバニラの甘さ渋みを与え、バレルエイジドビールインペリアルスタウトバーレーワインなどに 活用されています。
    例:伊勢角屋麦酒「バレルバニラ スタウト」志賀高原ビール「House IPA バレルエイジ」
  • 独特なチップ: メープルチップチェリーチップヒッコリーチップなどの特別チップは、ビールに 独特の木の香りスモーキーな香り甘いニュアンスを与え、スモークポーターウッドチップIPA実験的なビールなどに活用されています。
    例:忽布古丹醸造「クリスタルモルトとメープルチップのポーター」BREWDOG「Punk IPA Aged on Maple & Oak」
  • 地域産木材、樹脂: などの地域産木材、松脂などの樹脂は、ビールに地域ならではの 木のキャラクター独特の樹脂の風味を与え、和ビールボタニカルビール地元ビールなどに活用されています。
    例:KOKAGE BEER「KOKAGE IPA – Sugi -」 (吉野杉使用)Nomcraft Brewing「BREATH」 (高知県産 檜枝使用)

結論:原料革命がクラフトビール業界にもたらす未来

2025年、クラフトビール業界を牽引する原料革命は、単なるトレンドではなく、続いてゆく潮流と言えるでしょう。地域産原料、希少原料、代替原料 … 多様な原料の活用は、ビールの味わい香りテクスチャを次元を超えて進化させ、消費者に新しい感覚、新しい喜びをもたらします。

原料革命は、クラフトビール業界全体を活性化させ、未来のビール文化を形成する原動力となるでしょう。 各ブルワリーは、原料の持つ可能性最大限の注意を払い革新的な手法を取り入れることによって、競争が激化の一途を辿る市場においても生き残り、持続的な成長を実現できるはずです。

原料革命は、クラフトビール業界全体を活性化し、未来のビール文化を作り出す原動力となるでしょう。各ブルワリーは、原料の可能性に最大限の注意を献身する革新的なアプローチ を受け入れること で、競争激化する市場で生き残り持続的な成長を実現することができる はずです。

さあ、あなたも「原料革命」の波に乗り、次世代のクラフトビールを創造しましょう!

本連載は全5回を予定しています。次回第三回は「醸造技術の革新 – AI、自動化、 微生物学… 未来のビール 生産」と題し、醸造技術の最新トレンドを深掘りします。ご期待ください。